Wineは、Windows用ソフトウェアを、Unix系OSで実行できるようにしてしまう、ある意味、ものすげぇツールです。
私は、FreeBSD 2.2.xくらい、Windows 95くらいの時代に、電卓とかフリーセルとかが動いたのを見て、たしかにすげぇけど、実用的じゃねぇなぁ、くらいに思って、その後はすっかり興味を失ってました。
あれから10年以上が経過。最近になって、今のWineの完成度はすごいという話を聞きました。
が、しかし、10年前と比べて、パソコンの値段は安くなったし、処理速度もネットワークの通信速度も格段に高速になっているので、たとえば、本物のWindowsパソコンを、リモートデスクトップ接続で使うとか(ports/net/rdesktopは素晴らしい!)、エミュレータでWindowsを動かすとか、それでいいんぢゃね?と思ってたのでした。
しかし、なんとなく気まぐれで
http://gihyo.jp/admin/clip/01/fdt/200808/07
FreeBSD Daily Topics
2008年8月7日 【TIPS】FreeBSD Firefox 3とFirefox/Wine Flash9閲覧をシームレスに実現する方法
を見て、とりあえず試しておくか、くらいのつもりで、Wineを使って、Windows版のFirefox2を実行してみました。
なんかぁ
ごく普通に、当たり前のように動いてる
何も難しいところもなく、あっさりと動いてしまったので、なんかぁ、逆におもしろみがないというか…。
でもまあ、Firefoxって、Windows用とかLinux用とかMacOS用とかいろいろな環境にポーティングされているんで、きっと、プラットフォーム依存な部分を極力無くすとか工夫してるだろうし、そのために、できるだけ多くの処理を、OSまかせではなく自前でやる、とかなってそうな気もします。だとすると、Wineで動くのも実はたいして難しいことはないのでは…?と思ったんですが、WineでFirefox3は、まだ実行できないそうなんですね。ふむ。
☆
いや、実際のところ、私の環境では、そう簡単には使い物になりませんでした。
その理由は、私がウィンドウマネージャに、fvwm-1.24rなんていう古いものを使っていたためらしいです。fvwm-1.24rだと、どういうわけか、WineなFirefoxのウィンドウが、画面の端にへばりついてしまって、ウィンドウを移動できなかったり、ウィンドウサイズも変更できなかったり、どうもおかしいんです。
winecfgで、ウィンドウマネージャの管理外にできたり、へばりついてる側のウィンドウ枠をドラッグするころで、ウィンドウサイズを変更でき、実質的にウィンドウも場所を動かせることを発見しました。
これでいいかと思ったのですが、
- キーボードの操作で、ウィンドウのフォーカスを変更できない
- WineなFirefoxのウィンドウのタイトルバーなどをマウスでクリックするたびに、ズル、ズル、ズル、ズル、と、WineなFirefoxのウィンドウが動いていってしまう
という感じで、だめだこりゃ…でした。
ただ、ひとつよかったのは、なぜか、WineなFirefox2は、すごくスイスイと軽快に動いて、FreeBSDのFirefox2よりも、レスポンスがよかったんです。これは、もしかして使い物になるかも?という気がしてきて、
10数年の時を経て、ついにウインドウマネージャを変えました。gnome2に。
うぉ~、動きが、もっさりしてるぞ~!
fvwm-1.24rを使い続けてきたのは、とにかくキビキビ動くのが絶対条件だったから。ちなみに、その前は、Motifのmwmを使ってました。mwmを使いはじめたきっかけは、実はWindowsにありました。Windows 3.0をしばらく使う機会がありまして、すでにMacintoshになじんでいたころだったのですが、Windowsを触ってみて一番驚いたことが、
GUIなウィンドウ環境なのに、マウスがなくても、キーボードですべて操作できる!
でした。しかも、それがけっこう便利なんです。つまり、マウスって意外と不便な道具なんですよね。キーボードのAlt+Tabでウィンドウのフォーカスを変更できる(タスクスイッチできる)のが特に便利で、X Window Systemでも、それができるmwmを使うようになったのでした。ちなみに、その前はtwm。さらに余談ですがuwmも少しだけ使ったことがありますよ。
mwmは、動きがもっさりしてて、嫌だなと思ってたころに出会ったのが、fvwm。それ以来、ず~っと、fvwmと一緒でした。
「ソフトウェアは反応速度が命」と思うようになったのは、vz editorとの出会いがきっかけかもしれません。そのわりには、emacs派ですけど(矛盾だらけだ)。
☆
ああ、もういきなり嫌になってきました、gnome2。
でも、まあ、WineなFirefox2のために少しは我慢。よく知りませんが、なんか軽量なやつがあるそうですが…、ま、それはまたいつか試してみます。
☆
さてさて、いろいろアドオンをインストールして、FreeBSDなFirefox2と同じように使えるようにしてみました。
そしたら・・・
WineなFirefox2も、もっさりと、遅くなりました
なんだぁ、FreeBSD版のFirefox2が遅かったのは、アドオンのせいだったのか…
☆
とりあえず、乗りかけた船なので、まだ、WineなFirefox2を使ってみています。ひとつ気になったのが、ハイフンが文字化けして、「トウフ」、□という記号が表示されてるんです。
たとえば
http://jp.php.net/manual/ja/reserved.variables.server.php
を表示してみたところ
ソースを見ると
<p class="refpurpose"><span class="refname">$_SERVER</span> -- <span class="refname">$HTTP_SERVER_VA<wbr>RS [非推奨]</span> ― <span class="dc-title">サーバ情報および実行時の環境情<wbr>報</span></p>
みたいに書かれていて、
ためしに、Firefox2の「表示」メニューの「スタイルシート」にて「スタイルシートを使用しない」にすると、「-」で表示されるので、スタイルシートに何か原因があるらしいです。
どうやって上のHTMLソースの部分に適用されているスタイルシートの定義を探すのか、方法がよくわかんなかったのですが、とりあえず泥臭い方法ですが、スタイルシートのファイルを眺めていたら
@import url("/styles/site.css");
@import url("/styles/mirror.css");
と書いてあって、site.cssを見ると、
body, input, textarea, select, option {
font-family: verdana, arial, helvetica, sans-serif;
}
と書いてあったんで、この辺のフォントを使うと、文字化けするんじゃないのかな、という予想できます。
ネット検索してみたら
FreeBSD + Wine で Flash9 を使う
http://www.daemonfreaks.com/blog/tags/Wine
という情報を見つけまして、~/.wine/system.reg というファイルの
[Software\\Microsoft\\Windows NT\\CurrentVersion\\FontSubstitutes]
の部分に、とりあえず
"Verdana"="IPAPGothic"
"Arial"="IPAPGothic"
を書き足してみました。VerdanaとArialにしたのは、一応、スタイルシートにそう書いてあったから、というだけで、正しいのかどうか、まったくわかりません。
ところで、system.regは、wineが動いているときに書き換えてもだめで、wineなプログラムをすべて終了させてから、書き換えないとダメでした(さもありなん、ではありますが)。
最初、Firefox2を終了させてから、system.regを書き換えたんですが、反映されないみたいで、なぜかな?と思っていたら、WineなMozilla Sunbirdも実行中でした。全部終了させないとダメなんですね。
とりあえず、代替フォントの指定(?)を追加したら、トウフは表示されなくなり、ハイフンが表示されるようになりました。
☆
正しい文字を表示できないので、意図的に文字化けを起こすとき使われる記号として、トウフの“□”のほかに、ゲタ“〓”があります。このゲタは、大昔、活字を用いた印刷方式の場合で、活字が足りなくなったときに、とりあえず代わりに入れておいたのが〓という文字だったのが起源。
〓という活字があるのではなくて、単に、どんな活字でも、逆向きに入れると、〓と印字されるだけ…なんだとか。
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