前回の
からの続きです。
今回は、VirtualBox 2.0.0の仮想マシンに、FreeBSD 7.0-STABLEをインストールする話です。仮想マシンを設定するまでの話は、前回を参照してください。
インストールしたのは、FreeBSD/i386 (32bit版)の現行の最新リリースであるバージョン7系列のうち、今ダウンロードできた、現時点の最新スナップショット版の「7.0-STABLE-200807」です。
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FreeBSDインストール用のISOイメージファイルをダウンロード
FTPサイトをのぞくと、最新のスナップショットとして200808があったのですが、なぜかそこにはi386用がなかったので、もう1ヶ月前の200807にしました。
ISOイメージファイルを、以下からダウンロードしました。
ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/snapshots/200807/7.0-STABLE-200807-i386-disc1.iso
ISOイメージは複数ありますが、とりあえずインストールしてみるだけなら、disc1だけダウンロードすれば大丈夫です。
snapshot版はたしかネットワークインストールができなくて(インストール用のバイナリがFTPサイトになかった)、以前、bootonlyを使ってネットワークインストールして、ギャフンと言わされた(死語)ことがあります。
ところで、7.1-RELEASEのための準備がそろそろ始まっているそうでして、先日、RELENG_7をcvsup (csup)してmake buildworld云々やって最新版にアップデートすると、バージョン番号は7.1-PRERELEASEになってました。
もしかすると、7.1-RELEASEに間に合わせるために、駆け込みで新コードがコミットされて、ちょうど今は、バージョン7系列がものすごく不安定になる危険性があるのかもしれません。
freebsd-stableメーリングリストのsubjectを眺めていたら、「今cvsupするのは、ちょっと待て」(意訳)、「最新版にしたら動かなくなった(泣」(意訳)なんてメールが飛び交っていました(笑)
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ISOイメージファイルをマウントする
まずは、VirtualBoxにて、ダウンロードしたISOイメージを、仮想マシンで使えるようにします。
詳細タブの、「CD/DVD-ROM」をクリックします。
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「CD/DVDドライブのマウント」チェックボックスをオンにして、「ISOイメージファイル」を選択して、右側のフォルダのアイコンをクリックします。
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「仮想ディスクマネージャ」というのが表示されるので、「追加」ボタンをクリック。
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ファイル選択の画面が表示されるので、ダウンロードしたISOイメージファイルの「7.0-STABLE-200807-i386-disc1.iso」を指定します。
一覧の中に表示される「7.0-STABLE-200807-i386-disc1.iso」を選択して、「選択」ボタンをクリック。
どうやら、ここでは、「追加」ボタンで、ISOイメージファイルをいくつも登録しておいて、「選択」ボタンで、切り替えられるみたいです。
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これでISOイメージファイルをマウントするように指定されたので、「OK」ボタンをクリック。
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仮想マシンを起動する
「起動」ボタンをクリックします。
以下のような、わりと重要な情報が表示されます。
VMwareやVirtual PCなどの仮想化ソフトを使ったことのある人ならピンとくると思いますが、VirtualBoxからそのほかのアプリへ、キーボードやマウスなどのフォーカスを切り替えるるために用いる、
ホストキーは、「右側のControlキー」(Right Control)になっているよ
ということです。
VirtualBoxのウインドウが前面に出ている(アクティブ)のときは、キーボード入力はすべてVirtualBox(内の仮想マシン)に取られてしまうので(WindowsでのAlt + Tabによるアプリケーション切り替えなども、仮想マシンに取られる)、キーボードをホストOS側に開放するには、ホストキー(右側のControlキー)を押してください。
キーボードをVirtulBoxが握ってるかどうかは、ウインドウの右下にある、矢印マークの色で区別できます。
VirtualBoxの仮想マシンがキーボードを取ってます。
Windows(ホストOS)側でキーボードが使えます。
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仮想マシンの起動直後に表示される画面(BIOS初期化中のスプラッシュスクリーン?)。
なかなかユニークです。ノートPCの画面が無駄に凝っているというか…。
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FreeBSDをインストールする
ダウンロードしたISOイメージが壊れているといった問題がなければ、CDから正常にブートして、FreeBSDのインストーラが起動するはずです(最初やったとき、ISOイメージ壊れてた…笑)。
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FreeBSDのブートメニュー。ここでloaderプロンプトに抜けてコマンドを入力するといった、何かの小細工をしないと、VirtualBoxでうまくFreeBSDが動かないかも?とも思ったのですが、そんな必要もなく、何もせず、そのままで大丈夫でした。
FreeBSD 7になっても、インストール方法は、昔からほとんど変わりません。以前インストールしたことのある人なら、見た目のまま、作業をすすめていけるでしょう。
これとは別の、新しいインストーラがあるそうですが、私はこれしか使ったことがありません。
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国を選べと言われますので、Japanを指定します。Japanは今のところ110番目にあるので、PageUp、PageDownキーを使うと便利です。
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キーボードを選択しろと言われますので、Windows(ホストOS)で使っているキーボードと同じ、「Japanese 106」を選択しました。
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私はいつも、「Custom」のcustom installation (for experts)を選びます。
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Choose Custom Installation Optionsにて、まずは、「Partition」を選びます。
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ここでは、Windowsのfdiskのように、ディスクのパーティション(FreeBSDの用語では、スライス=slice)を切ります。
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「C」のキーを押すと、パーティションのサイズを聞かれます。
仮想ディスクを複数のパーティションに分割しても、あまり意味がなので、ディスク全体を割り当ててしまいます。最初に表示されている数字のままEnterキーを押せばOK。
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パーティションタイプの値を指定します。FreeBSDは165なので、表示されているそのままで、Enterキーを押します。
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FreeBSD用のパーティションが割り当てられます(実際には、現時点ではまだディスクには書き込まれていない)。
これをブート可能なパーティションにするために、「S」キーを押します。
右端の列のFlagsに、「A」と表示されます。
以上でパーティションの指定は終わったので、「Q」とキー入力します。
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起動するOSを選択できるようにするブートマネージャーをインストールするか聞かれます。
仮想マシンの仮想ディスクで、OSを選択してブートできるようにしても無意味なので(必要なOSの個数だけ仮想マシンを作ればよい)、「Standard」を選びます。
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次に「Label」を選びます。
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ここでは、swapパーティションとか、ファイルシステムの/usrとか/varとか、FreeBSDで使うパーティションを切ります。
「Disk: ad0」が選ばれている状態で(ディスクドライブが1つしかないから他を選びようがない。複数あるときは、ディスクドライブ選べる)、「C」キーを押します。
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今回は試しに使ってみようと思っただけなので、あまり細かくパーティションを切ってもしょうがなく、スワップパーティションを念のため256MB確保して、残りすべてで、ファイルシステム1つだけにすることにしました。
まず「C」のキーを押します。
サイズを入力しろと言われるので、「256M」と入力します。
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partition typeとして、「Swap」を選びます。
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再び「C」のキーを押して、新しいパーティションを切ります。
今度は、残り全部を割り当てるために、表示されている数字のままでEnterキーを押して、OKとします。
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今度は、partition typeとして、ファイルシステムの「FS」を選びます。
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ファイルシステムのマウント場所を指定するように言われるので、「/」を指定します。
ところで、FreeBSDの場合、LinuxのFedoraやCentOSでよくやってるみたいに「/boot」というパーティションを分ける必要はないです。というか、分けたら動かなくなりそうな気がするんですが、どうなんでしょうか。
そういえば昔、/etcを別パーティションに分けた方がおられて、目からウロコでした。だって/etc/fstabが読めなくなるもんなぁ…
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パーティションは以上の2つだけにしておきます。
「縁起物」というか「おまじない」というか、そんな目的半分で、SoftUpdate機能を有効にしておきます。「/」にマークをあわせておいて、「S」キーを押します。
真ん中あたりのNewfsの列に、「+S」と表示されます。
以前、ルート・パーティションはsoftupdateを有効にできない、というエラーメッセージがでたことがあったのですが、今回はできました。あれは何だったんでしょうか。
すべて指定が終わったので、「Q」のキーを押します。
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今度は「Distribution」を選択します。
何をインストールするのかを指定するメニューです。
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とりあえずのお試し目的だったので、「Minimal」を選びました。
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「Minimal」とは何なのか疑問に思って、念のため「Custom」を選んでみたら、「base」と「kernels」だけが選択されていました。
細かいことを言うと、baseの中にも、いらないものがたくさん含まれているんだけどなぁ…
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Distributionの指定が終わったら、「Exit」を選択。
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つづいて、「Media」を選びます。
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仮想マシンでISOイメージをマウントしているので、CDからインストールできます。とうわけで、「CD/DVD」を選択します。
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最後に「Commit」を選択します。
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本当にインストールしていいか確認してきますので、「Yes」を選択します。ここで「No」を選べば、ハードディスクの内容はまったく変更されず、元のままです。
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Yesを選択後、ディスクのパーティションが切られてフォーマットもされ、インストールが始まります。
ファイルをコピー中の様子。
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インストール中のタスクマネージャの表示。
もっとも、これだけでは、本当に負荷が高いのか低いのか、VirtualBoxのパフォーマンスが優れているのかどうか、などについて判断は難しいですけど。
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割と短時間で処理は終わってしまいました。
その他の設定をするか?と聞いてくるので、とりあえず「Yes」を選択。
FreeBSDをブートしたあとで、sysinstallコマンドを実行して設定してもかまいませんが、忘れないうちに、rootのパスワード設定、ユーザー登録、タイムゾーンの指定、くらいはやっておいたほうがいいかもしれません。
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rootのパスワード登録
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ユーザー登録
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タイムゾーンの指定。
パソコンの時計の時刻はUTC(=協定世界時。グリニッジ標準時とだいたい同じ)か?とたずねてきますが、普通は現地時間を示しているので「No」。
このときついでに「時刻はこうなってるんだけど」と表示してくれれば、もっと意味がわかりやすいと思うんですけど。
「Asia」を選択。
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「Japan」を選択。
JSTで正しいので、「Yes」を選択。
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すべて設定が終わったら、インストーラを終了します。
「Exit」を選択。
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もう1つ、「Exit」を選択。
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Tabキーを押して、下のほうの「Exit Install」を選択。
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これからリブートするので、CDを抜いてくれ、と言われます(CDからではなくHDDからブートさせるために)。
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右側のControlキー(ホストキー)を押して、キーボードを仮想マシンから取り返したあと、VirtualBoxの「デバイス」メニューの中にある「CD/DVD-ROMのマウント解除」を選びました。
これでいいのかと思ったんですが、リブート後、またCDからブートしてしまったことがありました。おかしいなとあれこれやっているうちに、よくわかりませんが、ちゃんとマウント解除できました。
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FreeBSDを起動する
インストールが終わったので、FreeBSDを起動します。
インストーラを終了すれば、リセットされて、FreeBSDが起動します(インストール時に、ブートするパーティションの指定などを間違えてたりしなければ)。
インストーラ終了直後以外の場合は、VirtualBoxのウインドウで、仮想マシンを選択して、「起動」ボタンをクリックします。
さあ、これで、FreeBSDが起動しました。
「Amnesiac」・・・あ、ホスト名を指定するのを忘れました(笑)。
FreeBSDを終了する
VirtualBoxの「仮想マシン」メニューの中の「ACPIシャットダウン」を選ぶと、FreeBSDでシャットダウン処理がはじまり、最後に、仮想マシンの電源が切られます。
もちろん、FreeBSDの中でrootアカウントで「shutdown -p now」コマンドを実行してもかまいません。
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長くなってしまったので、FreeBSDのネットワークまわりの設定は、また次回に。
NATのport forwardingを指定して、sshで、仮想マシンのFreeBSDにログインできるようにもしてみます。
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