2006年2月15日水曜日

インチキ・ハイビジョン

フルHDというキーワードは、もうだいぶ広まったかんじがします。たとえば、フルHD液晶テレビといえば、ハイビジョンの映像の精細さを損なうことなく、映すことができるテレビのことです。ようするに、ハイビジョンの画素数1920x1080(これ以外のもハイビジョンと呼ぶことがあるようですが・・・)に対応するだけの、ピクセル数をもったパネルを搭載したテレビっていうことらしいです(というか、ただの宣伝文句?)。



ところが、フルHDが宣伝されるよりも前から、ハイビジョン対応テレビはありました。どういうことかというと、液晶パネルのほうが画素数が少なくて(1024x768とかだったり・・・)、ハイビジョン映像を縮小して表示していたわけですね。うーん・・・ちょっと、インチキくさいことやってたんですね。ギリギリ、アウトじゃないかな?というかんじがします。



ようやく、ハイビジョンを表示できるテレビが増えてきたわけですが―――といっても、そういうテレビってのは、値段が一流なことに加えて、図体がバカでかいので、日本の伝統的な狭い部屋に置くのは非常に困難、というか無意味だったりするわけですが―――、放送のほうも、「ハイビジョン制作」というテロップを目にすることも増え―――といっても、今までのテレビで見ているひとには、画面が小さくなっちゃって、かえって迷惑だったりするわけですけど―――、だんだんとハイビジョンな放送素材も増えてきました。また、(いったい誰が買うのか知りませんが)次世代DVDが出てくれば、それでハイビジョン品質のビデオソフトを見られるようになります(ブルーレイかHD DVDかでもめていますが、当分の間は、どっちも、ほとんど売れないと予想されます。ひょっとすると、共倒れ)。



というわけで、いろいろ問題はあるものの、金と根性さえあれば、ハイビジョンいいよね~といえる環境が、かんたんに整えられるようになってきました。



まあ、そういうハイビジョンなテレビ番組は、デジタル放送でしか見られないわけですけど、幸運なことに、うちでは、BSデジタル放送なら見られます。ただ、テレビが、伝統的な、アスペクト比4:3の「中画面・厚型テレビ」だったりするわけで、ぜんぜんハイビジョンの恩恵をさずかっていません。



NHKのBSデジタル放送、BS-Hiでは、月に1回、ハイビジョンでアニメを放送する「アニメ映画劇場」というのがあって、ちょっと楽しみにしてたりします。



Bshi2



先日は、「ラーゼフォン 多元変奏曲」をやってたのですが、これが、ものすごい「ハイビジョン」でした。



まず、いきなりお断りの注釈がでました。「この作品は、テレビシリーズを再編集したものに劇場用新作部分を付け加えたため、画面のサイズが違う部分があります。」



Bshi3



地上波で放送する素材は4:3で制作されていて、これをBSデジタル放送の16:9の比率でハイビジョンにして放送すると、画面の両端に黒い部分がでます。あれのことだろうと、すぐに推測はできます。



ちなみに、BSデジタル放送でも、4:3で放送(SD)することは可能です。ところが、日本のエライ人たちが決めた法律では、1日何時間か以上はハイビジョンで放送しなきゃだめだよん、というすばらしいルールがあるために、わざわざ両端に黒い部分をくっつけて放送してくれます。これを、伝統的な4:3のテレビで見ると、上下左右に黒い領域ができて、ハイビジョンだけど画面のサイズは小さくなっちゃうよ~、という非常にアリガタ~イ状況に陥ります。



こんな感じで映ってました。ああ、なるほど。左右に黒い部分(濃い灰色かな)。よく見かける画面です。



Bshi5



「劇場用新作部分」というのは、どこのことなんだろう?と思って、探してみたのですが、ひょっとして、これですか?



Bshi6





左右の黒い部分を残したまま、さらに、上下に黒帯がつきました。これで、16:9にはなっていますが、画素数は、上下左右ぐるりと削られてしまっています。うーん、まいった。



こんな映像になっちゃうのって、うちのテレビが壊れてるんですか???





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