交通博物館には、電車の運転を体験できるシミュレータが何種類かあって、とっても大人気なようで、順番待ちの長い行列ができていました。スクリーンに実際の運転台からの映像が見えるようになっていて、臨場感のあるタイプが多いのですが、穴場?的なのが、これでした。
映像や景色を映すスクリーンのようなものは一切ないので、見た目は、なんとなく地味なんです。簡単な運転台があって、パンタグラフを上下させたり、マスコンとブレーキを操作して、車輪を回したりできます。モーターとか、ブレーキとか、車輪とかって、あれは、本物なんでしょうか?とにかく、迫力がありました。モーターはうなりをあげ、レバー操作次第で、急ブレーキもかかっちゃうし、圧縮空気の音がプシュープシューってなったり、大迫力。
・・・そんな中、こんな細かいところが、けっこう気になりました。
マスコン(速度を調節するときに操作するレバー。マスターコントローラの略だったんですね。はじめて知りました)の状態に応じて、モーターに流れる電流を制御する、制御回路なんだと思いますが、歯車というかカムのようなものが、ぐるぐると回っていき、機械式に制御しています。
私なんかは、デジタル回路しかわからないので、こうやって、機械で制御しているところを見ちゃうと、なんか感動してしまいました。なんとなくピラゴラスイッチみたいなかんじがする?
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昔使っていた、ソニーのモニターが故障しちゃって修理を頼んだら、出張修理だけだよ、ってので、家に来てもらったことがありました。そのとき来たサービスマンが、装置の技術マニュアルのようなものを持ってきていたので、覗きこんでみたら、いろんな信号で、ギザギザの波形を作ったり、タイミングをきざんでいたりしている様子が書かれていて、「あぁ!アナログ回路ってこういう感じで作ってるんだ」と感動した覚えがあります。
最近では、テレビのNTSCのエンコーダ、デコーダもデジタル回路だったりするわけですが、もちろん昔は、アナログ回路で作っちゃってた。アナログ屋さんは、すごいなぁ~。
でも、トランジスタやLやCやRでそういう制御用の信号を作るんじゃなくて、あのモーターの制御装置は、機械でやっちゃてたわけですから、やっぱ、もっとすごい気がする。
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プラットフォームで見かける、「次の列車は こだま567号 名古屋行き 9時23分発 14番線」みたいに表示される列車の発車案内表示は、昔は、デジタル表示ではなくて、あらかじめ文字が書かれたパネルが、パタパタ~とめくれて表示するやつでしたよね。それを体験できる装置が展示されていました。
列車の種別、列車番号、発車時刻、行き先、・・・など、たくさんあるスイッチをパチパチと全部押していってから、最後に、設定ボタンみたいなもの(パソコンのキーボードでいうところのEnterキーかな)を押すと、パタパタ~とめくれていって表示が変わります。
子供は、とにかくスイッチを押すのが好きなようで、一生懸命になって、やたらとスイッチを押しているのですが、発車案内表示はピクリとも動きません。あれって、内部でちゃんとエラーチェックをしているようで、たとえば時刻が26時10分とかありえない組み合わせになっていたり、分の1の位のボタンが押されていなかったりとか、矛盾や間違いがあるときは、表示が変化しないように作られているようでした。
こういったスイッチでの制御だと、完全にデジタル方式ですから、私でも理解できます。ちょうど、昔、ワンボードマイコンで(おまえは何歳なんだ!?)、データ入力をするときに用いた「パチパチ・スイッチ方式」と同じですよね。とくに、最後に設定ボタンのようなものがあるところなんて、「ああ~、やっぱ、そういう風に作るよね!」と、なぜか時間を超越して、当時の設計者の考え方に共感してしまいました。
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