いわゆる「コンビニ本」です。
すでにSF短編の全集も持っているので、わざわざこんなのを買う必要はないのですが、いろいろな事情でつい、というか、この表紙に惹かれてしまい、買ってしまいました。
いまさら気が付いたんですが、ハカセって、顔もハカセだったんですね・・・
今回で劇画オバQを読むのは、数十回目だと思いますが、ようやく気が付きました。注意力なさすぎ。苗字が「博勢(ハカセ)」だったということにばっかり、気がいってしまっていました。
収録作品は、以下のとおり。個人的には、1、2、7が秀作だと思います。
1.劇画・オバQ
2.イヤなイヤなイヤな奴
3.休日のガンマン
4.3万3千平米
5.求む!求める人
6.殺され屋
7.やすらぎの館
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
高校生のときに、「劇画・オバQ」なるものがあると聞かされ、てっきり、同人誌かなんかのパロディ作品かと思いこんで、そのときはそれでおしまい。大学生のときに、再び、その話題がでて、ちょうど文庫本がでてたりして、手軽に入手できたので、はじめて「劇画・オバQ」を読むことができました。
私は、年齢的には、ドラえもん世代ですが、新オバQのアニメの再放送を見たことがあるし、コロコロコミックでオバQも読んでいたし、藤子作品ということで単行本も買ってみたり、オバQのおもしろさは知っています。
でも、「劇画・オバQ」を読んで、
なんて寂しい漫画なんだろう
と、強い印象を受けました。誰もが大人になり、子供のころに持っていた「熱い気持ち」を無くしてしまう・・・そんなことを描いたのがこの作品です。読むたびに、いろんな気持ちがグチャグチャに混ざり合って葛藤し、懐かしかったり、つらかったり、悲しいし、さびしいし、仕方ないことなのか!?と怒ったり、なんとも言えない気持ちになります。
2月19日(日曜日)に放映された「ドラえもん誕生物語~藤子・F・不二雄からの手紙~」という番組で、児童漫画の時代から劇画などの時代へ変化していったころ、藤子F先生が苦悩している様子が紹介されていました。担当編集者から、芋掘りロボットのゴンスケをサラリーマンにした大人向け漫画を描かないか?と勧められるものの、結局、そのときは、今の自分はそういうものを描く気持ちにはなれない、みたいな理由で断ってしまったそうです。それでも、後に、SF短編と称される作品群が生まれることになったわけですが、その中の1つ、この「劇画・オバQ」には、F先生の心の底からのメッセージが描かれているような気がします。
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