2007年6月27日水曜日

「ゲームセンターあらし」と「金メダルマン」

コロコロ伝説vol.2についてるコミックス2冊、「ゲームセンターあらし」と「金メダルマン」を読んでみました。



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■ ゲームセンターあらし



あらし、あんた、ゲームセンターでゲームやってないじゃん・・・



あの当時、ゲームセンターに行くのは不良、小学生はゲームセンター禁止、・・・そんなふうになっちゃってたんですよね。だから、小学生なあらしも、一応、作品中ではそういった社会ルールをきちんとまもってます。



でも、たしか、原稿紛失で、コミックスに未収録になっている幻の第1話というのがあって(復刻版のほうには、雑誌から復元されたものが収録されています。それに、もっと昔には、PDF形式かなんかで、ニフティでオンライン販売されてたこともありました)、それでは、ゲームセンターでやってたような・・・復刻版は実家においてあるので、今は確認できません。



今回のコミックスは、てんとう虫コミックス第1巻を文庫サイズで復刻したものですが、おどろくことに、6話あるうちの、スペースインベーダーで5話も、最後の1話だけがギャラクシーウォーズと、当時のインベーダーゲーム・ブームのすごさが、このあたりからもわかるんじゃないでしょうか。当時を知らない若い人には、信じられないでしょうね。日本中でインベーダーゲームで100円玉を大量に使うもんだから、100円玉不足になったとかいう噂(本当の話?)もあったくらいで・・・



○ 必殺! つるぎの舞い



大文字さとる、登場。彼のもっているマイコンの名前が、ORANGE Ⅱ。もちろん、元ネタは、APPLE Ⅱ。
絵の中では、にくいことに、Ⅱを、 ][ と表記してます。


○ ウルトラスペシャル 月面宙返り



月影一平太が登場。一平太がインベーダーのもじりだということは作品中で触れられていますが、元ネタ(?)に月形半平太というのがあるのを知ったのは、ずっと後のことでした。



全日本インベーダー選手権なるものが開催され、日本全国から選手が参加するのですが、そのへんは、包丁人味平が思い起こされます。


○ ビッグコンピューターをやっつけろ!



ゲームセンターに出入りできない小学生のあらしが、「マイコンショップ バイト」でゲームをやってます。そのマイコンは、特徴的な形をした、あのPET2001ですね。



納戸博士、助手の安藤さん、プログラマーの能登さん、この人たちの名前の元ネタが、NAND、AND、NOTだと知るのは、ずっとあとのことでした。



さとるが作ったゲーム、海賊インベーダー“パイレーツ”。「いかにあらし君といえども勝てるわけないっ!」とか言っちゃうんですが、あんた、ゲームバランスってもんがあるでしょう・・・勝てないんじゃゲームにならない・・・



結局、ヨガの水魚のポーズで勝っちゃうんですが・・・ぎゃふん



○ “秘伝”ケン玉昇り竜



棺おけのなかにインベーダーゲーム、それで賭けをする。一勝負1000円、勝てば1万円。



その賭けをやっているのが、プロのインベーダーボーイ第1号、剣野玉三郎。つまり、プロ・ゲーマーですか。韓国よりも先に、日本にプロ・ゲーマーがいたとは。



玉三郎の妹のナナ子ちゃん。秘伝ケン玉昇り竜を披露するシーンで、ちらりと見えるパンツがツギハギだらけで涙をそそる、って、昔だれかが言ってました。



○ 激闘!!巨大マシーン



今度の戦いの相手は、ラム&ロム兄弟。ロックミュージシャンなんだそうだ。



元ネタがRAMとROMだとは、あのころはまだ知らなかったかな。


○ 血戦!! ギャラクシーウォーズ



嵐の中、怪我をして頭から血を流しながらもゲームを続行するあらしの姿に、そのゲームを観戦していた人たちもひきこまれ、その「ありえねーよ」な、あまりにも超・熱血ぶりに、読者もひきこまれます。



このゲーム、33面でGIVE UPになるっていってんですが、33というコンピューター的にはものすごく中途半端な数字が気になりました。





先日、ディスカバリーチャンネルで「ビデオゲームの歴史」という番組を見たのですが、なかなか面白かったです。うーんまあそういう見方もあるかな~、ってかんじのするところもありましたが、世界初のコンピューターゲームから、日本での状況とアメリカでの状況、いろいろ交えながら、歴史を振り返るもので、復習するにはちょうどいい感じでした。



ひとつ気になったのが、初期のゲームには、ハードウェアの制限のために、ゲームにはストーリーというものがない、と言い切ってたこと。そう、たしかにゲーム自体には付随するストーリーというものがなかったかもしれないけど、日本には、この「ゲームセンターあらし」があった。単なるゲームに、漫画という表現手法を用いて、ストーリーをつけてゲームの魅力をより深いものにした「ゲームセンターあらし」は、当時のゲーム業界に多大な貢献をしたのではないでしょうか。 ・・・てなことがどっかの解説に書かれていたような気がしますが、同意します。







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■ 金メダルマン



異色ですねぇ。現代ではもう見かけないタイプの作品。「すすめパイレーツ」っぽい雰囲気がしました。



モントリオール・オリンピックで金メダルをとった、という設定になってるんでしたっけ?



金メダルをネタにしてストーリーをつくるっていう発想が、なんともユニーク・・・と思ったのですが、「金メダル兄弟」を読んで、そうか、と納得しました。1980年、モスクワ・オリンピックがあったんですね。それで金メダルなのか・・・ 日本はボイコットして不参加でしたが・・・ みんなオリンピックにのりのりな気分になっていたところ、オリンピック直前になってボイコットしたんでしたっけ?
こぐまのミーシャってアニメがありましたねぇ。



金メダルをネタにしてストーリーをつくりつづけるのも、かなーり難しかったようで、途中から、金メダルなんて、あんまり関係ないじゃん、という話になってしまってますね。残念。



子供向けマンガにはなってますが、どうも、もうちょっと上の年代にうけそうなネタを、なんとかがんばって子供向けに手直してる、って感じがしました。
あちこちで、これって何かの元ネタがあるんだろうな~ってのがあるのですが、いまひとつよくわかんないのがちらほらとあって、ものすごくもどかしいです。
時事ネタではないと思うのですが。
そういえば、このまえNHKで放映してたテニスの王子様をなんとなくみてしまったのですが、「いってよし」というセリフが連発されてて、痛いなぁと思ってしまいました。


(2007/6/30 追記)



金メダルマンの沢田というキャラが、沢田研二だったというのを、コロコロ伝説本誌のほうを読んでやっと気がつきました。子供のころは気がついてたんだろうなぁ・・・
2~3年前にテレビで見たすっかり変わった沢田研二の風貌が・・・



さて



付録コミックスのゲームセンターあらしのP.25の、1段目のコマで、さとるがプログラミングしてる(?)のですが、マイクが描かれています。あれはマイコンじゃなくて、アマチュア無線(ハム)ですよね。



1970~80年初頭ころ、創成期のマイコン・ファンの中には、もともとハム愛好家が多かったそうです。ハムをやってる人たちは、自分たちでアンテナを作っちゃったり、アンプも自作しちゃったりで、電子回路について高いレベルの知識を持っている人たちがいました。おもいっきりアナログ回路な無線機に比べて、マイコンのデジタル回路(先にでてきた、NAND、NOR、AND、OR、NOTなどの論理ゲート素子など)は、いいかげんに作っても動いてしまうので(←比較的に・・・ですよ、一応)、簡単に、マイコンの世界にも進出していけた、と聞いています。



すがや先生と私は、出身地が同じで、高校も同じところなのですが、それで勝手に親近感を覚えてたりします。すがや先生の出身高校の近くに、スガヤ無線という、無線とパソコンなどを扱ってるお店があって、「あれって、すがやみつるの実家?」と、当時、高校の同級生に聞いたら、関係ないんだってよ、って言ってたけど・・・



スガヤ無線は、オリジナルのパソコンソフトを作って雑誌Oh!MZに広告を出してたりしました。実は今でもあるらしく、業種はかなり変化してるようです。


それと、「アーケードゲーマーふぶき」は・・・まあ、やめておこう(笑)。


(2007/7/16)



幻の第1話を読み直してみました。

フィーバーまんが!!
ゲームセンターあらし



ゲームに賭けた男一匹ド根性!



ゲームの鬼 すがやみつる

冒頭では、あらしが、ゲームセンターで、中年男性と勝負をしています。ゲームは、「ブロックくずし」でして、インベーダーゲームより前の時代だったのでした。



当然ながら、かぶっている帽子はインベーダー・キャップではなく、アポロ・キャップ。



そのゲームセンターで、大文字さとると出会い、あらしとさとるが、ブロックくずしで勝負をしています。勝負で使ったブロックくずしは、さとるが改造したものですが、実際にさとるもゲームをプレーする点が、後のインベーダーゲームを使った勝負とは少し違っています。









■ 過去記事





2 件のコメント:

  1. はじめまして。通りすがりです。古い記事へのコメントですみません。
    多分、同じ高校の出身者です。スガヤ無線の近所の高校でした。
    すがやみつる先生と、スガヤ無線、関係なかったんですね。
    てっきり関係あるのかと(先輩からそんなことを聞いた気がしてました)・・・。
    ��ところで、私も、ついtemporaryファイルの名前をtttにしてます。
    ちょっと勝手に親近感を持ってしまいました。)

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  2. コメントありがとうございます。
    思い込みかもしれませんが、すがや先生本人も、無関係だとどこかに書いていたような・・・気がします。
    そんなに多い苗字でもないし、地理的にとても近いですから、関係あると思いたくもなります。
    それにしても、最近のすがや先生は、小説家であり、大学院生でもあり、twitterではものすごい数のフォロワーがいて、・・・とパワフルです。

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